確定申告シーズン制度の解説
自分は米国の税務上の居住者? 2つのテストで判定、移民法上の身分とは無関係
「米国で確定申告をしなければならないのか」という疑問の答えは、多くの人が聞いたことのない概念で決まります。税務上の居住者という身分です。この身分には独自の判定基準があり、移民法上の身分とは別のものです。ここが最もよくある誤解で、この記事でまずはっきりさせておきたい点です。
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この記事の内容(9)
2つのテスト どちらかに当てはまれば税務上の居住者
判定には2つのテストがあり、どちらか一方に当てはまれば税務上の居住者(resident alien)になります。
グリーンカード・テスト:暦年の「いずれかの時点」で永住者
1つ目はグリーンカード・テスト(green card test)です。その暦年中のいずれかの時点で米国の合法的永住者であれば、税務上の居住者になります。「いずれかの時点」という点に注意してください。1年を通して永住者である必要はありません。
実質的滞在テスト:その年31日+3年間の加重計算で183日
2つ目は実質的滞在テスト(substantial presence test)で、日数で判定します。計算方法には少し特徴があります。このテストに当てはまるには、2つの条件を同時に満たす必要があります。その年に実際に米国に31日以上滞在していること、そしてその年と前の2年を合わせた3年間で合計183日に達することです。
183日は単純な合計ではない 前年は3分の1、前々年は6分の1
この183日は、3年間の日数をそのまま足したものではありません。計算方法は、その年の日数はすべて算入し、前年の日数は3分の1、前々年の日数は6分の1を算入する、というものです。
効果:毎年130日ほどの滞在でも当てはまりうる
この加重計算の実際の効果として、「頻繁に来るが、1回の滞在は長くない」という場合でも税務上の居住者になることがあります。たとえば3年続けて毎年米国に約130日滞在した人は、どの年を見ても183日を大きく下回りますが、加重計算すると130+43+22=195日になり、基準を超えます。分かれ目はおよそ毎年122日で、毎年120日なら加重後は180日となり、3日足りません。「毎年半年未満だから大丈夫」という見方だけで判断すると、間違った結論になります。
当てはまっても例外あり:より密接な関係を主張できる
実質的滞在テストに当てはまった場合でも、主張できる例外が一つあります。その年の米国滞在が183日未満で、その年に外国に税務上の本拠(tax home)を置き、その国とのつながりが米国とのつながりより密接であり(closer connection)、さらに必要事項をすべて記入した所定の書式を期限内に提出すれば、非居住者として扱われる可能性があります。この例外には複数の要件があり、自分から申告して主張する必要があります。
身分で決まるのは申告義務の範囲 書類1枚の問題ではない
身分の判定が重要なのは、それが申告義務の範囲を決めるからで、「書類を1枚出すかどうか」だけの問題ではありません。当サイトには海外の金融口座の報告義務を扱った記事もあり、その義務が生じる前提こそが「米国人(U.S. person)」という身分の判定です。この2つが結びついていることが、税務上の身分を先にはっきりさせておくべき理由です。
日数にはいくつかの例外 一部の在留資格は算入しない
もう一つ説明しておかなければならないことがあります。日数の計算にはいくつかの例外があり、一部の在留資格では、特定の状況での米国滞在日数を実質的滞在テストに算入しません。こうした例外の適用はかなり専門的で、この記事では詳しく扱いませんが、結論を大きく変える可能性があるので、簡略化した計算方法を自己判断で当てはめるのは避けたほうがよいでしょう。
まずは過去3年の入国日・出国日を整理する
実際の手順としていちばん現実的なのは、過去3年の入国日と出国日を整理することです。当サイトには、公式の窓口から自分の過去5年分の出入国記録を取得する方法を説明した記事もあり、その記録がちょうどこの計算の元データになります。正確な日数がわかってから、自分がどのケースに当たるかを確認しましょう。
📌 このテーマの全体像を1本にまとめました:まとめ/渡米1年目の確定申告、あなたは米国の税務上の居住者?
本記事は税務上の居住者の判定の枠組みを説明したもので、税務上または法律上の助言ではありません。個人の実際の身分判定、日数の例外の適用、各国との租税条約との関係は個別の事情によるため、米国内国歳入庁(IRS)の公式説明または資格のある税務専門家の意見を基準としてください。
まだはっきりしない点:米国滞在日数の各種の例外(特定の在留資格を算入しない規定を含む)、租税条約の影響、初年度の選択(first-year choice)などの特別な規則は、この記事では確認していません
この内容は一般的な情報で、法律・移民・お金に関する助言ではありません。ご自身の状況については、資格のある専門家にご確認ください。



