確定申告シーズン制度の解説
同じ所得に2つの国で課税 多くの場合、外国税額控除は項目別控除より有利
米国に移住した後も母国での所得がある。家賃収入、利子、配当、まだ精算が終わっていない仕事の収入などです。そのお金はたいてい現地ですでに税金を払っていますが、米国側は全世界所得の申告を求めます。同じお金に二重に課税されるのを避ける仕組みが、外国税額控除(foreign tax credit)です。以下は米国内国歳入庁(IRS)の関連規定にもとづいています。
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前提:非居住外国人は原則として主張できない
まず前提として、非居住外国人(nonresident alien)は原則としてこの控除を主張できません。ですから使えるかどうかは、あなたの税務上の身分によります。当サイトには、グリーンカード・テストと実質的滞在テスト(substantial presence test)という2つの判定基準を説明した記事もあります。
最も重要な比較:税額控除か項目別控除か
次に、最も理解しておくべき比較があります。同じ外国所得税を「税額控除」として使うか、「項目別控除(itemized deduction)」として使うかを選ぶことができ、両者の効果は大きく違います。控除(deduction)として使うと、外国所得税で減るのは米国の「課税所得」です。税額控除(credit)として使うと、減るのは米国の「納付すべき税額」です。IRSの説明も、多くの場合は税額控除を選ぶほうが有利だとしています。
税額控除は1ドルで1ドルを相殺 所得控除で浮くのは税率分だけ
違いがどこにあるのか、はっきりさせておきましょう。所得控除は先に所得の金額を小さくしてから税率をかけて税金を計算するので、実際に浮くのはその金額に自分の税率をかけた分だけです。税額控除は納めるべき税金から直接差し引くので、1ドルで1ドルを相殺することになります。これが「多くの場合は税額控除のほうが有利」な理由です。
分けて使えない 税額控除を選んだらすべて税額控除
ただし、この選択は分けて使うことができません。一般的なルールでは、対象となる外国税の「すべて」についてどちらか一方を選ぶ必要があります。税額控除を選んだら、対象となる外国税の全額について税額控除を主張しなければならず、その一部を所得控除に回すことはできません。逆に所得控除を選んだ場合も、すべてを所得控除にする必要があります。
税額控除には上限 納めた税額と上限の小さいほう
税額控除には上限があり、その計算方法には筋の通った考え方があります。外国税額控除の額は、実際に納めた、または発生した外国税の金額と、控除の上限額のうち、小さいほうです。上限額は、米国で納めるべき税額の総額に一つの分数をかけて計算します。分子は米国外の源泉からの課税所得、分母は米国と外国の源泉からの課税所得の合計です。
上限は所得のうち国外分の割合を反映する
言い換えれば、上限は「あなたの所得のうちどれだけの割合が国外から来ているか」を反映しています。この仕組みのねらいは、税額控除を米国が「外国源泉所得」にかける税の相殺だけに使い、米国内の所得にかかる税の相殺には使えないようにすることです。ですから外国の税率が米国の税率より高い場合、超えた部分がすべて差し引かれるわけではありません。
消費税や財産税は対象外 所得にかかる税に限る
税額控除を主張できる税にも範囲の制限があります。外国が所得、戦時利得、超過利得にかけた税、またはそれらに代わる税に限られます。ですから、国外で払ったあらゆる税金が対象になるわけではありません。消費税や財産税などは一般に対象外です。
手続き:Form 1116を記入して申告書と一緒に提出
手続きとしては、税額控除を選ぶ場合、一般にForm 1116を記入して米国の申告書と一緒に提出します。
当サイトには、この判断に直接関わる記事がほかに2本あります。1本は非居住者の配偶者を米国居住者として扱うことを選んだ場合の影響(夫婦とも全世界所得が申告範囲に入る)を説明したもの、もう1本は渡米1年目の二重ステータスを説明したものです。この税額控除は、まさにそうした場合に二重課税を避けるための手段なので、3本を合わせて読むのがおすすめです。
📌 このテーマの全体像を1本にまとめました:まとめ/渡米1年目の確定申告、あなたは米国の税務上の居住者?
本記事は外国税額控除の基本的な枠組みを説明したもので、税務上または法律上の助言ではありません。対象となる外国税の認定、上限額の細かな計算、使い切れなかった控除枠の繰り越し、各国との租税条約との関係は個別の事情によるため、IRSの公式説明または資格のある税務専門家の意見を基準としてください。
まだはっきりしない点:対象となる外国税の完全な認定基準、使わなかった税額控除の繰り越しと繰り戻しの規定、各国との租税条約の影響は、この記事では確認していません
この内容は一般的な情報で、法律・移民・お金に関する助言ではありません。ご自身の状況については、資格のある専門家にご確認ください。
出典
- https://www.irs.gov/individuals/international-taxpayers/foreign-tax-credit
- https://www.irs.gov/individuals/international-taxpayers/foreign-tax-credit-choosing-to-take-credit-or-deduction
- https://www.irs.gov/individuals/international-taxpayers/foreign-tax-credit-how-to-figure-the-credit
- https://www.irs.gov/publications/p514



